真鍮(黄銅)の買取りについて
真鍮(しんちゅう)スクラップを買取っています。 真鍮は、銅と亜鉛(あえん)の合金で、黄銅(おうどう)とも呼ばれます。 真鍮の色は、五円硬貨(真鍮製)のような「黄色」です。
真鍮のスクラップとしては、水道蛇口やバルブ類、ナット、コイン(メダル)、ワイヤーカット、楽器(吹奏楽器やシンバル等)、仏具、アクセサリー等がありますが、真鍮スクラップは、真鍮以外の異物が付いていることが大半ですので、込真鍮(こみしんちゅう)と呼ばれます。 込真鍮の「込」は、異物を「込」んでいるという意味です(同様に「込銅」や「込砲金(こみほうきん)」がある)。
水道蛇口やコイン(メダル)は銀色であり黄色ではありませんが、これはメッキされているためです。 メッキをヤスリで削ると、五円硬貨(真鍮製)のような黄色が出てきます。
金属の表面はメッキされていることが多いので、削ることは非常に重要です。
ダスト引き注意!
以前は少量の付き物(ダスト)がある込真鍮でも高価買取をしておりましたが、近年、真鍮に付くダストに対しての評価が厳しくなり、以前のように買い取る事ができなくなってしまいました。
真鍮に少量のダストが付いている場合でもダスト引きで買取価格を下げざるをえず、なるべく高値で買取したく思いますので、ダストを全て取り除いてお持込いただくようお願いいたします!
セパとコーペルについて
真鍮の打抜(うちぬき)新屑を、セパ(セバ)、コーペルと言います。
➡ セパ(1号新黄銅くず):銅65%、亜鉛35%
➡ コーペル(2号新黄銅くず):銅60%、亜鉛40%
銅:65.82% 亜鉛:34.18%
銅:60.62% 亜鉛:39.38%
厚さは0.2mm以上ですが、扱う都合上、大きさは10mm(1cm)は必要です。
上記の大きさ以上が必要なのは、細かいと扱いにくくなるためです。
真鍮切粉(削粉、切削屑)について
真鍮の切粉(削粉、切削屑)は、真鍮よりも買取価格を下げます。
切粉(削粉、切削屑)の類は、概して真鍮以外の異物(他の金属や油等)が含まれていることがあるためです。 仮に入っていなくても、弊社は出荷先にそれを証明することができません(削粉類の全検品は不可能)。
真鍮?真中?
スクラップ業界では「真鍮」を「真中」と書く人がいますが、おそらく、真鍮の「鍮」は難しい漢字であり、画数も多い(17画)ためだろうと思われます。 現場に於いてフレコンに内容物を書く場合、画数が少ない方が適します。
上述した「込真鍮(こみしんちゅう)」は「込真中」と書かれ、さらに略されて「込中(こみちゅう)」と書かれることがあります。 また、少数ではあるものの「真鋳」と書く人もいます。
真鍮は、英語ではBrass(ブラス)
真鍮は、英語では「Brass」であり、これは、ブラスバンド(金管楽器)の「ブラス」です。 ブラスバンドで使う楽器は、真鍮製のことが多いためです。
真鍮スクラップの輸出の際、インヴォイスやパッキングリスト等の書類では「BRASS SCRAP」と表記します。
真鍮(黄銅)メダルについて
ゲームセンター等で使用されるメダル(コイン)には真鍮のものがありますが、メッキされているため、真鍮だと分からないものがあります。 その場合は、上で述べたように、削って色を見ましょう。
メダル(コイン)は、全てが真鍮であるとは限らず、ステンレスや洋白(洋銀)のものもあります。
これらが混ざってしまうと、分けるのは不可能になってしまいますので、混ざらないようにご注意ください。
表面の刻印が同じだからといって、同じ材質であるとは限りません。
表面の刻印が同じでも、材質の異なるメダルを多数見てきました。
混ざってしまうと、何が入っているのか分からず、金属としての評価ができなくなり、1枚1枚手作業で分ける訳にもいきませんので、荷受けできない場合があります。
バイメダルに注意!
内外が異なる金属でできているバイメダルには注意してください。
バイメダルは、内外を分離しようとすると、手間がかかりすぎます。
バイメダルは分離不可能(手間がかかりすぎる)であり、弊社では買い取ることができません。
勿論、内外を分離し、金属種毎に分類されていれば、各々検品の上買い取ります。
真鍮の金属組成
先に述べましたが、真鍮は、銅と亜鉛の合金で、黄銅(おうどう)とも呼ばれます。
真鍮には、銅と亜鉛の割合により何種類かあります(C2600やC2700等)が、銅が60~70%くらいのものが一般的です。
銅(Cu):65.28% 亜鉛(Zn):34.72%
身の回りの真鍮としては、五円硬貨があります。
但し、真鍮全てが五円硬貨の色をしているわけではなく、亜鉛の割合によって若干ですが、色が変わってきます。
丹銅について
真鍮は銅と亜鉛の合金ですが、同じ銅と亜鉛の合金で、真鍮よりも銅の割合が高い金属があり、丹銅(たんどう)と呼ばれます。
丹銅の色は銅に近いのですが、よく比較すると、銅より白い色を呈します。
真鍮と砲金との違い
真鍮(黄銅)と同じく銅の合金として、砲金(青銅)があります。
➡ 真鍮(黄銅):銅と亜鉛の合金
➡ 砲金(青銅):銅と錫(スズ)の合金
目視判別時、表面劣化や汚れ、メッキ等の表面加工により色が分からない場合は、削ると見えてきますが、
グラインダー等の道具で「キレイに」削った上、かつ、両者を並べて「比較」しないと、判別が難しいこともあります。
判断が難しい場合は、弊社に持ち込みくだされば、金属分析器にて分析いたします。
洋白(洋銀)
真鍮(黄銅)は銅と亜鉛の合金ですが、そこにニッケルが入ると、洋白(ようはく)という合金になります。
➡ 真鍮(黄銅):銅と亜鉛の合金
➡ 洋白(洋銀):銅と亜鉛とニッケルの合金
銅:69.69 亜鉛:24.12 ニッケル:5.86
洋白は真鍮ほど黄色くはありませんが、光の加減等により、真鍮なみに黄色く見えることがありますので、注意しましょう。金属分析器を使うのが確実です。