砲金(青銅)の買取りについて
砲金(ほうきん)スクラップを買取っています。 砲金は、銅と錫(スズ)、その他(亜鉛や鉛)の合金で、青銅(せいどう)とも呼ばれます。
銅:81.16 錫:7.71 鉛:5.87 亜鉛:4.80
青銅という言葉の方が市中では一般的ですが、スクラップ業界では「砲金」と呼ぶのが普通です。
砲金(青銅)スクラップの例
砲金のスクラップとしては、水道メーターやバルブ(弁)等がありますが、砲金スクラップは、砲金以外の異物が付いていることが大半ですので、込砲金(こみほうきん)と呼ばれます。 込砲金の「込」は、異物を「込」んでいるという意味です(同様に「込銅(こみどう)」や「込真鍮(こみしんちゅう)」がある)。
砲金スクラップは、流体関連周辺によく使用されています。
砲金(青銅)は、英語でBronze(ブロンズ)
砲金は、英語では「Bronze」です。 「ブロンズ像」という言葉がありますが、砲金(青銅)でできた像のことです。 但し「ブロンズ像」と称されるものの全てが、砲金でできているとは限りません。 市中の認識では「ブロンズ像=銅像」であったりし、銅、真鍮(黄銅)、砲金(青銅)の区別及び認識のないことが大半です。
水道メーターのダスト除去
水道メーターには、内部にメーター部分がありますが、これはプラスチックでありダスト(砲金以外の異物)になりますので、 お持込みの際には、叩いてメーター部分を外し、ダストなしにするのがよいでしょう。
メーター部分があっても買い取りますが、買取価格が大きく下がってしまいます。
「ビスマス砲金」に注意!
砲金と似た金属で「ビスマス砲金」と呼ばれるものが存在します。 ビスマス(原子番号83)が添加されているものです。
「ビスマス砲金」でできたものは、砲金に比べ買取価格が下がります。
「エコブラス」に注意!
砲金の代替として開発された「エコブラス」と呼ばれる金属が存在します。 この「エコブラス」は砲金ではない(銅が少ない)ため、真鍮として扱いますのでご注意ください。
砲金の水道メーターと、エコブラスの水道メーターをヤスリで削り、色を比べると、微妙に色が異なります。
前者には赤味があり、後者には赤みがない感じです。
といっても、非常に微妙な差なので、両者を並べないと分からないかもしれませんが...
メーター軸の取扱いについて(2014/08/26追記)
メーター付き砲金やビスマス砲金(メーター付き)を解体し、中に残るメーターの軸に関しては以下のように取扱います。
砲金
➡ 軸なし(砲金付物なし)
➡ 軸あり[減額対象]
ビスマス砲金
➡ 軸なし(ビスマス砲金付物なし)
➡ 軸あり[減額対象]
砲金のメーター(解体後)
メーター砲金の中にステンレスの軸があります。 |
砲金内の軸は外すこともできます。
砲金とビスマス砲金を見た目で判断はできません。 |
どちらにも軸があります。
よく見るとビスマスの”B”と書いてある |
もちろん、砲金であれば軸を全て外していただくと砲金の買取価格で買取りができます。
砲金切粉(削粉、切削屑)について
砲金の切粉(削粉、切削屑)は、砲金よりも買取価格を下げます。
切粉(削粉、切削屑)の類は、概して砲金以外の異物(他の金属や油等)が含まれていることがあるためです。 仮に入っていなくても、弊社は出荷先にそれを証明することができません(削粉類の全検品は不可能)。
リン青銅(燐青銅)とは?
銅と錫(スズ)にリン(p,燐)を加えた、リン青銅と呼ばれる合金があります。 リンを加えることで、強度及び靭性(じんせい,ねばりのこと)が大きくなり、耐摩耗性と耐食性が増します。 耐摩耗性や耐食性が求められる、ネジ、ばね、ワッシャー、歯車等に使用されます。
リン青銅も買取可能ですが、リン青銅は「特殊金属」に属しますので、弊社営業までお電話()ください。
砲金(青銅)の金属組成
先に述べたように、砲金は、銅と錫(スズ)、その他(亜鉛や鉛)の合金で、青銅とも呼ばれます。
砲金は、銅が80-85%くらいのものが多く、 色は薄い茶色(桃色という人もいる)と言われることがありますが、銅の割合で色が変わりますので、文章で説明するのはかなり困難です(後述)。
銅(Cu):93.59% 錫(Sn):6.41%
最近は、銅と錫(スズ)以外に、亜鉛や鉛を含むものがあります。
銅(Cu):86.75% 錫(Sn):4.31% 鉛(pb):4.93% 亜鉛(Zn):4.01%
身の回りの砲金としては、十円硬貨があります。
銅(Cu):95.06% 亜鉛(Zn):4.10% 錫(Sn):0.839%
十円硬貨が砲金に比べ色が濃いのは、銅の割合が95%と非常に高いためです。
砲金と真鍮との違い
砲金(青銅)と同じく銅の合金として、真鍮(黄銅)があります。
➡ 砲金(青銅):銅と錫(スズ)の合金
➡ 真鍮(黄銅):銅と亜鉛の合金
真鍮(黄銅)は銅と亜鉛(あえん)の合金であり、五円硬貨は真鍮(黄銅)です。
よって、真鍮(黄銅)は五円硬貨のような黄色であると覚えるとよいでしょう。
目視判別時、表面劣化や汚れ、メッキ等の表面加工により色が分からない場合は、削ると見えてきますが、
グラインダー等の道具で「キレイに」削った上、かつ、両者を並べて「比較」しないと、判別が難しいこともあります。
判断が難しい場合は、弊社に持ち込みくだされば、金属分析器にて分析いたします。