ステンレス
下記写真のような『自転車のカゴ』は荷受け出来ません。 自転車のカゴにはマンガンが含まれる200系のものがありSUS301と混ざって入荷するケースが多発しています。大量に入荷があった場合、取り除くあるいは仕分けることが不可能なためです。
ステンレスの買取り
ステンレスリサイクルのために、ステンレススクラップを買取っています。 鉄に10%以上のクロムを含ませた合金をステンレスといいます。 ステンレス(STAIN-LESS)は「不錆(さびない)」の意です。 ステンレスは含有するクロムが空気中で酸素と結合、不動態(ふどうたい)膜を形成し、錆びにくいため、錆びては困る用途(流し台、浴槽、厨房製品、自転車の泥ヨケやカゴ)等に使われています。
ステンレスの種類
ステンレスは合金ですが、その組成や割合により、細かく分類されています。
JIS規格ではSUS(Steel Use Stainless)の後に組成により様々な番号が付与されています。
オーステナイト系ステンレス鋼
➡ SUS301・・・ニッケル(Ni)の含有率が6-8%、クロム(Cr)の含有率が16-18%。磁石に弱く付く。
➡ SUS304・・・ニッケル(Ni)の含有率が8-10.5%、クロム(Cr)の含有率が18-20%。磁性なし。18-8ステンレスとも。
➡ SUS316・・・ニッケル(Ni)の含有率が10-14%、クロム(Cr)の含有率が16-18%。磁性なし。18-10ステンレスとも。
➡ SUS309・・・ニッケル(Ni)の含有率が12-15%、クロム(Cr)の含有率が22-24%。磁性なし。22-12ステンレスとも。
➡ SUS310・・・ニッケル(Ni)の含有率が19-22%、クロム(Cr)の含有率が24-26%。磁性なし。25-20ステンレスとも。耐熱鋼。
マルテンサイト系/フェライト系
➡ SUS430・・・ニッケル(Ni)の含有がなく、クロム(Cr)の含有率が16-18%。磁石に付く。18クロム、18ステンレスとも。弊社では鉄と同値。
(実際には末尾にL等のアルファベットが付くものもあり、もっと細かい)
一般的に、ニッケル(Ni)の高いものが、金属スクラップとしての価値が高くなります。
ニッケルの含有率は、何かしらの表記がない限り、見た目では分かりません。
ステンレスの磁性
オーステナイト系ステンレス鋼は、基本的に磁性(磁石に付くか付かないか)はありません。
しかし、一部曲げるなどの加工を加えると軽く磁性を帯びる場合もあります。
18-8 STAINLESS (18-8 ステンレス)
表記に18-8 STAINLESSとあるものは、クロムが18%、ニッケルが8%という意味で、SUS304を表します。
SUS304は磁石に付きません。
18-10 STAINLESS (18-10 ステンレス)
表記に18-10 STAINLESSとあるものは、クロムが18%、ニッケルが10%という意味で、SUS316を表します。
SUS316は磁石に付きません。
18 STAINLESS (18 ステンレス)
表記に18 STAINLESSとあるものは、クロムが18%という意味で、SUS430を表します。
表記が単に「STAINLESS」や「STAINLESS STEEL」としかないものもあります。
この場合は分析しなければ詳細は分かりませんが、磁石に付くようであれば、SUS430やSUS410といった「SUS400系」でしょう。
「SUS400系」にはニッケルが含まれていない(あってもごく微量)ため、スクラップの価値としては相当低くなります。
SUS430やSUS410は磁石に付きます。
ニッケルの含有が多い金属
ニッケル(Ni)の含有が大きいもの、例えば、純ニッケル、ニッケルを多く含む耐熱鋼、ハイパニック(Hypernick)、イリウム(Illium)、インコ(Inco)、インコネル(Inconel)、インコロイ(Incoloy)、コバール(Kovar)、モネル(Monel)、マルチメット(Multimet)、ミューメタル(Mu Metal)、ハステロイ(Hastelloy)等は特殊金属として買取ります。
ステンレスの判別方法
ステンレスの種類は、何かしらの表記がない限り、見た目では判別できません。
しかし、完全ではないものの、磁石を使うことで区別できます。
ステンレスに磁石を当ててみて、付くものは駄目(SUS400系でNiがない)、付かないものは良い(SUS304、SUS316等でNiが含まれている)となります。
なお、弱く付くのがありますが、それはSUS301(SUS304よりNiの割合が少ない)かと思われます。
常に磁石を携行しておくとよいですが、オススメは棒の先に磁石の付いた「ピックアップツール」です。
本来は棚の裏に落とした鍵等を拾う用途で使うものであり、その用途から磁力が強力ですので、微妙な反応を見る用途には不向きですが、伸びるので便利です。
「ピックアップツール」は100円ショップにも売られていますので、見付けたら買っておきましょう。
ステンレススクラップの一例
ステンレスは様々な所に使われており、様々な形状のものが入荷してきます。
他の材質のメダルと混ざらないように注意
なお、ステンレスであっても、ステンレスの冷蔵庫は扱っておりません(無料でも扱えません)。
ステンレスメダルについて
ゲームセンター等で使用されるメダル(コイン)にはステンレスのものがありますが、真鍮にメッキされたものがあります。 その場合は、削って色を見ましょう。
メダル(コイン)は全てがステンレスであるとは限らず、真鍮や洋白(洋銀)のものもあります。
これらが混ざってしまうと、分けるのは不可能になってしまいますので、混ざらないようにご注意ください。
表面の刻印が同じだからといって、同じ材質であるとは限りません。
表面の刻印が同じでも、材質の異なるメダルを多数見てきました。
混ざってしまうと、何が入っているのか分からず、金属としての評価ができなくなり、1枚1枚手作業で分ける訳にもいきませんので、ステンレスとしては取り扱えず、ものによっては荷受けできませんのでご注意ください。
バイメダルに注意!
内外が異なる金属でできているバイメダルには注意してください。
バイメダルは分離不可能(手間がかかりすぎる)であり、弊社では買い取ることができません。
ステンレススクラップの長さと付物(ダスト)について
長さが1.0m以上のものはカット代が必要となるため、減額させていただきます。また、水筒(ポット)、鍋、やかんの類は付物(鉄、プラスチック等)のため減額させていただきます。よって、これらがある場合は、必ず分けてお持込みください。
また、浴槽には断熱材が付いておりますが、これは除去してからお持込みください。 金属製のヘラのようなもので除去することが可能です。
断熱材が付いていると、買取できないことがあります。
ハイマンガン(高マンガン鋼,ハイマン)にご注意!
ハイマンガン(高マンガン鋼,ハイマン)という金属があります。
ハイマンガンは、
➡ 鉄(Fe)が約85%、マンガン(Mn)が約10%、他(クロム等)。
➡ 磁石に付かず(弱く付くこともある)。
➡ 削ると火花が出る。
➡ 厚みがある。
➡ 薄く錆が出ているものもある。
というコトで、ステンレス類に見えますが、ステンレスではなく、価値は鉄以下です。
鉄が8割あるにもかかわらず、マンガンが入ることで付かなくなるのです。
ステンレスと間違わないよう、十分に注意してください。
大畑商事はハイマンガン(高マンガン鋼,ハイマン)は買いません。
なお、同類として、マンガンを含むパチンコ玉にもご注意ください。
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