雑線(被覆線・雑電線・銅線・VA線・廃電線)の買取り
雑線(被覆線・雑電線・銅線・VA線・廃電線)の芯には銅が使われており、その銅を取り出し、銅としてリサイクルするために買取っています。
つまり、電線そのものの用途としては使いませんので、古くても、線が痛んでいても、切れていても、買取に支障はありません。
錫引、エナメル線にご注意!雑線の内側にある銅線に、錫(スズ)メッキやエナメル加工のあるものも存在します。
このような雑線は、剥いたあとピカ線にはなりませんので、細線と同様、買取価格を下げます。
雑線スクラップを買取り、リサイクルしています
大畑商事は雑線スクラップを集め、海外に輸出し、剥線(はくせん、雑線の被覆を除去すること)を行って銅を取り出し、金属としてリサイクルしています。
約4,300㎡(=約1,300坪)の敷地を有し、仕入→分別→保管→積込→輸出をしております。
「銅率」とは?
先述したように、銅を取り出すのが目的です。 よって、雑線の買取価格を決定するのには、銅の重量の割合が必要となります。 「雑線中の銅の重量%」のことで、これを「銅率」と呼びます(「銅の歩留まり」とも言われます)。 「銅率」は、以下の式で求められます。
例えば、雑線の重さが1,000g(1kg)で、その皮(被覆)を剥いた結果、銅が450g採れた場合、雑線中の「銅率」は45%となります。 大きな電流が流れる電線は、概して銅が太くなります。逆に微弱な電流が流れる電線は、概して銅が細くなります。 パソコン用のケーブル、例えばSCSIケーブル、キーボードのケーブル、マウスのケーブル、LANケーブル、USBケーブル等は「信号線」ですので、銅が非常に細く「銅率」は低くなります。
「銅率」を調べましょう
では、実際に「銅率」を調べてみましょう。ナイフを使って雑線を銅線と被覆(皮)に分けます。
なお、電線剥離機(剥線機)をお持ちの方は、ナイフを使う必要はありません。
上記で得た数値を元に、銅率の計算を行います。
用意した雑線(皮+銅線)は232gであり、取り出した銅線は190gなので、この数字を、先述した「銅率を求める式」に入れると、
「銅率」=雑線中の銅の重量%=190g(雑線中の銅の重さ)÷232g(雑線の重さ)×100
となり「銅率」は約81.9%となります。
今回は、雑線の重量が232gと少量で行いましたが、
1kg(=1000g)程度用意すると、より正確な「銅率」を知ることができます。
太い雑線=「銅率」が高いとは限らない
太い雑線=「銅率」が高いとは限りません。被覆(皮)が非常に太い(=銅が少ない)雑線もあるからです。 雑線を評価する時は、外観だけでなく、断面をしっかり確認するようにしましょう。
錫引、エナメル線にご注意!
雑線の内側にある銅線に、錫(スズ)メッキやエナメル加工のあるものも存在します。
このような雑線は、剥いたあとピカ線にはなりませんので、細線と同様、買取価格を下げます。
アジロ線(船用電線、舶用線)にご注意!
ネズミがかじらないように鉄網(あみ)の巻かれているアジロ線(船用電線、舶用線、アジロ外装ケーブル)は、銅率の低さや剥線困難のため買い取りません。
鉄の網がありますので、剥線機に投入しても剥(む)くことができません。
ダルマ線にご注意!
銅線に並行して鉄線が走っているダルマ線は、銅率の低さや剥線困難のため買い取りません。 鉄線が入っていますので、剥線機に投入すると、刃が痛んでしまいます。
被覆除去後の銅線の太さが1.3mm以上が良
「銅率」が同じであっても、被覆(皮)を剥いた結果、得られる銅線が、太い銅線か(ピカ線になれるか)、細い銅線か(ピカ線になれないか)で買取価格が異なるので、注意が必要です(当然、ピカ線になれる前者が高い)。
「銅率」だけでなく、得られる銅線の太さにも注意が必要です。
他の要素としては、被覆除去後に得られる銅線に、メッキがされていないか、エナメル加工がされていないか、油が付着していないか、 劣化(黒ずむ等)していないか、紙等が組み込まれていないか、等があります。 併せてピカ線(特一号銅線、ピカ銅)もお読みください。
雑線のお持込みと買取
買取価格は銅相場等により変動しますので、お持込みの前に買取価格をお尋ねください。 その際「線の種類」と「銅率」「得られる銅線の太さ」をご提示ください。 メールでお尋ねになる際は、雑線の写真(断面含む)を添付してお送りいただけると、目で見ることができ、大きな参考になります(定規等の比較対象物を同時に写し込むと尚良)。
雑線は分類するのが良
雑線を種類により分けていただくことが、買取価格を保つのに必要となります。 例えば「銅率」が65%の雑線と「銅率」の低い家庭用コンセントの線を混ぜてしまうと、買取価格が「銅率」の低いものに引きずられてしまい、買取価格が落ちてしまいます。 しかしながら、雑線を分ける手間(=人件費)の問題もありますので、分けるべきか否かは、持ち込まれる方に於いてご判断ください(分類していなくても買取りはできます)。
雑線以外の部分は除去しておくのが良
マウスやテンキー、ACアダプタの等ケーブル以外の部分は雑線ではありません。
これらが含まれていると買取価格を下げますので、予め除去をお願いいたします。
「銅率」の非常に低い雑線
一例を挙げると、下のテレビのアンテナ線がそれにあたります。断面を見ていただくと分かりますが、銅がほとんどありません。
このような「銅率」の非常に低い雑線ばかりだと、得られる銅の価値を(銅を得るための)作業代が上回ってしまうため、買取ができませんのでご注意ください。
VA線の買取
屋内電気工事に用いられる電線の平型ビニール外装ケーブルをVA線といいます。
色はグレーが一般的です。
銅率は2心で38%程度、3心で42%程度であるため銅率を40%程度として扱うことが多いです。
外装のビニールは剥がしやすいですが、ほとんどのケースで被覆線として持ち込まれます。
大畑商事では、VA線を42%として扱っており買取価格もVA線として設定しています。
FケーブルやVVF(フラット)、VVR(ラウンド)と呼ばれることもあります。
★VA線を持ち込むときのポイント
被覆以外のダスト(付物)は除去してください。
また、別の銅率である雑電線との混同(混じり)にも注意してください。
銅率40%程度の雑電線と同じくらいに買取価格が減額される可能性があります。
ハーネスも雑線
自動車の内部に含まれている電線(信号線)であるワイヤーハーネス(ケーブルハーネス)も、雑線となります。 内線が銅であるハーネスを、雑線として買取っています。
ハーネス以外の付物(ヒューズボックスやメーター等)は除去してください。
ハーネスにこれらのような付物(ダスト)がある場合は減額します。 但し、ハーネス末端の小型ソケットは付いていても問題ありません。
ハーネスをお持ちの方は、自動車解体業者様であることが多いと思いますが、 他の自動車関連スクラップ、例えば ダイナモ(オルタネーター)やセルモーター(スターター)、コンプレッサー、ラジエーター、アルミホイール、自動車用バッテリー(カーバッテリー)も買取を行っておりますので、お持ちであれば、同時にお持込みください。