ハイス(ハイスピードスチール,高速度鋼)の買取り
ハイスを買取っています。
ハイスはハイスピードスチール,高速度鋼と呼ばれ、金属材料の切削するための、非常に硬い工具です。
「高速」というのは、ハイスが高温下でも軟化せず、金属材料を速く削ることができるという意味です(摩擦熱で柔らかくなっては高速で削れない)。
ハイス(ハイスピードスチール,高速度鋼)の切削工具としての硬さ、耐摩耗性は超硬には劣りますが、超硬よりは安価です。
ハイス(ハイスピードスチール,高速度鋼)
先端がドリル状になっている
HSS(High-Speed Steelの頭文字)が見られる
なお、ハイスピードスチールと呼ばれますが、正確にはハイスピード「ツール」スチール(High-Speed Tool Steel)です。
ハイス(ハイスピードスチール,高速度鋼)の金属組成
ハイス(ハイスピードスチール,高速度鋼)は、炭素(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、バナジウム(V)、コバルト(Co)等が組み合わされた金属です。
シリコン
硫黄
クロム
モリブデン
タングステン
元素の組み合わせがいくつかあり、規格化されています(後述)。
ハイス(ハイスピードスチール,高速度鋼)の規格
ハイス(ハイスピードスチール,高速度鋼)には規格があり、日本工業規格(JIS)ではSKH2~59があります(SKHは、Steel Kougu High-speedの頭文字)。
大きく分けると、タングステン系(SKH2-10)、モリブデン系(SKH40-59)となり、タングステン系にはモリブデンは含まれません。
いくつかを挙げると、
➡ 炭素(C)0.73-0.83 ➡ マンガン(Mn)0.40以下 ➡ 硫黄(S)0.030以下 ➡ モリブデン(Mo)含まない |
➡ シリコン(Si)0.45以下 ➡ リン(P)0.030以下 ➡ クロム(Cr)3.80-4.50 |
➡ バナジウム(V)1.00-1.20 ➡ タングステン(W)17.20-18.70 ➡ コバルト(Co)含まない |
➡ 炭素(C)0.73-0.83 ➡ リン(P)0.030以下 ➡ モリブデン(Mo)含まない ➡ コバルト(Co)4.50-5.50 |
➡ シリコン(Si)0.45以下 ➡ 硫黄(S)0.030以下 ➡ タングステン(W)17.00-19.00 |
➡ マンガン(Mn)0.40以下 ➡ クロム(Cr)3.80-4.50 ➡ バナジウム(V)0.80-1.20 |
➡ 炭素(C)1.45-1.60 ➡ リン(P)0.030以下 ➡ モリブデン(Mo)含まない ➡ コバルト(Co)4.20-5.20 |
➡ シリコン(Si)0.45以下 ➡ 硫黄(S)0.030以下 ➡ タングステン(W)11.50-13.50 |
➡ マンガン(Mn)0.40以下 ➡ クロム(Cr)3.80-4.50 ➡ バナジウム(V)4.20-5.20 |
➡ 炭素(C)0.77-0.87 ➡ リン(P)0.030以下 ➡ モリブデン(Mo)8.00-9.00 ➡ コバルト(Co)含まない |
➡ シリコン(Si)0.70以下 ➡ 硫黄(S)0.030以下 ➡ タングステン(W)1.40-2.00 |
➡ マンガン(Mn)0.45以下 ➡ クロム(Cr)3.50-4.50 ➡ バナジウム(V)1.00-1.40 |
➡ 炭素(C)0.80-0.88 ➡ リン(P)0.030以下 ➡ モリブデン(Mo)4.70-5.20 ➡ コバルト(Co)含まない |
➡ シリコン(Si)0.45以下 ➡ 硫黄(S)0.030以下 ➡ タングステン(W)5.90-6.70 |
➡ マンガン(Mn)0.40以下 ➡ クロム(Cr)3.80-4.50 ➡ バナジウム(V)1.70-2.10 |
➡ 炭素(C)1.05-1.15 ➡ リン(P)0.030以下 ➡ モリブデン(Mo)9.00-10.00 ➡ コバルト(Co)7.50-8.50 | ➡ シリコン(Si)0.70以下 ➡ 硫黄(S)0.030以下 ➡ タングステン(W)1.20-1.90 | ➡ マンガン(Mn)0.40以下 ➡ クロム(Cr)3.50-4.50 ➡ バナジウム(V)0.90-1.30 |
※ 各種とも、不純物としての銅は、0.25%を越えてはいけません。